孔の品質の大幅な向上と非鉄金属切断の強化をもたらすX-Definition プラズマ
パート3

編集者注:こちらは、3 部シリーズの最後の記事です。パート 1 と パート 2 を読む
穴の品質
エッジの直角度に加え、XPR® と X-Definition® は孔の品質の問題にも取り組みました。従来のプラズマシステムでは、側面がテーパー状で内側に突起のある孔が生み出されましたが、X-Definition プラズマプロセスを使用する True Hole® は、直径と厚さの比が 2:1~1:1 の範囲で軟鋼にボルト品質の孔を作成することが可能です。非 X-Definition の True Hole と比較して、完全円筒度の測定値と孔底面の真円度が向上しました。
XPR 上の True Hole は、こちらに示されているように、厚さと直径の比率が 2:1~1:1 の範囲で優れたプラズマ切断孔を提供します。円筒度と孔底面の真円度は、非 X-Definition の True Hole と比較して向上しています。
非鉄金属切断での大きな利点
X-Definition プラズマは、異なる厚さのステンレスおよびアルミでの結果を最適化するための新たなプロセスを幅広く導入することで、非鉄金属の切断にも新境地を開きました。実際、X-Definition に関連する新機能で人々が最も驚くのは、おそらく非鉄金属の切断です。約 10mm (3/8 インチ) までの薄いステンレスでは、強化された HyDefinition® Inox (HDi) プロセスは、プラズマ用の N2 とシールドガス、または F5 プラズマと N2 シールドガスのいずれかを使用し、優れたエッジ品質を提供します。滑らかな表面仕上げ、ニュートラル/光沢のあるカラー仕上げの部品が得られ、ドロスがほとんど無くなります。これらの切断の ISO レンジは、通常 2 または 3 です。
60 アンペア N2/N2 HDi は、3- 10mm (10ga - 3/8 インチ) の材料では直角かつ滑らかでドロスフリーなカットを提供します。特に、10mm (3/8 インチ) 以下の材料では光沢のあるエッジとニュートラルな色が得られます。
10mm (3/8 インチ) の材料に対する 80 アンペア F5/N2 HDi の例。エッジはシャープで、切削角度は最小限に抑えられています。非常に滑らかで光沢があり、ドロスがありません。
厚いステンレスでは、プラズマガスとして個別に混合したH2-Ar-N2 と N 2 シールドを使用すると、X-Definition プラズマプロセスは 通常 ISO レンジ 3 または 4 のステンレス切断をもたらします。これにより、ドロスがなく輝きのある滑らかなエッジ仕上げと良好な垂直性を特徴とする結果が得られます。X-Definition のディスクリートガス混合機能により、ユーザーがガス混合物を変更して、異なるグレードのステンレス向けに結果を最適化することができます。
ディスクリート 3 プラズマガス混合物 (H2-Ar-N2) は N2 シールドと混合することで、厚さ 12mm (1/2 インチ) 以上の厚いステンレスにおいて優れた切断を提供します。エッジは滑らかで光沢があり、色はニュートラルであるかわずかにゴールドトーンになります(Ar の混合率が高い場合)。切断はほとんどドロスが発生せず、垂直度は通常 ISO レンジ 3~4 です。
そして最後に、新しい X-Definition N2/H2O (窒素プラズマおよびウォーターシールド) プロセス、通称ベント式ウォーターインジェクション (VWI:Vented Water Injection™) を使用する場合、XPR300 は、アルミニウムにおいて旧世代のプラズマ切断と比較して真に優れた結果をもたらします。
この積み重ねられたアルミは、様々な厚さにわたって、ドロスがなく低い直角度 (ISO レンジ 3~4) で極めて滑らかな切断面を提供する X-Definition の VWI プロセスを示しています。
これらの 2 つのサンプルは、薄いアルミの内部スロットや孔などの微細な形状の切断を提供する能力を示しています。
これらの記事の目的は、XPR および X-Definition プラズマがすべての金属切断用途に最適なソリューションであると主張することではありません。レーザー切断システムの購入を検討中の金属加工業者の皆様に、そしてXPR に搭載された X-Definition プラズマで実現できることをご覧になったことがない方々に、切断システムに多大な予算を費やす危険性があることを示唆するためのものです。実際のところ、お客様の用途によっては「何倍もの」支出となる可能性があります。極めて微細な形状の切断や極めて厳しい公差の能力など、レーザーならではの機能はもちろん存在します。一方で、外周エッジの直角度および滑らかさ、孔切断の能力、一定のレベルの微細な形状の切断能力、下流工程での溶接性、および非鉄金属の切断に関しては、X-Definition クラスプラズマは、より費用対効率の高いアプローチとなる可能性があります。この記事がその目的を達成したとすれば、弊社はお客様の切断ニーズに対して最も費用対効果の高いソリューションを提供する技術をご案内できるよう、お客様と共に次の段階に進んでいきたいと考えております。
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