Powermax45 XP プラズマシステムによるスポット溶接の除去 | Hypertherm

Spot weld removal


自動車の車体修理やその他の金属作業用途では、母材の金属層を損傷することなく、スポット溶接された 2 つの金属を分離しなければならないことがあります。ハンドトーチ付きの Powermax45® XP プラズマシステムは、この課題に対する高速で費用効率のよいソリューションです。

スポット溶接

スポット溶接は自動車産業で広く使用されています。スポット溶接は、電流を使用して金属片を溶接します。製造業者は 2 枚の金属板を合わせ、装着された電極溶接ガンを使用して金属片に電流と圧力をかけます。金属片は、電流の流れへの抵抗として作用し、フィラー材を使用せずに金属を液化し融合させることで熱を発生させます。

スポット溶接は効率的で、コスト効果が高く、自動化することができます。

スポット溶接除去の従来のオプション

母材の金属層に損傷を与えることなく、迅速かつコスト効率よくスポット溶接を除去することは困難な場合があります。スポット溶接はドリル、切断、または研削により除去されることが多くあります。

  • ドリル – オペレーターはドリルを使用してスポット溶接自体を切り取ります。オペレーターは、両方の金属層にドリルが到達しないように十分に注意する必要があります。ドリルでスポット溶接を除去するには、溶接ごとに約 3 分かかります。

  • 切断 – オペレーターはスポット溶接切断ツールを使用して、スポット溶接の周りに丸を切断します。オペレーターは、下の金属層を切断したり損傷したりしないように注意する必要があります。スポット溶接の切断には、溶接ごとに約 3 分かかります。

  • 研削 – オペレーターはスポット溶接を研削し、一番上の金属層のみを注意して除去します。この方法を正しく行うと、下の金属層への損傷が少なく、溶接ごとに平均 2 分かかり、切断やドリルよりも時間がかかりません。

Powermax45 XP によるスポット溶接の除去

プラズマガウジングを使用してスポット溶接を除去するには、スポット溶接の周りをガウジングし、一番上の金属層のみを通過するようにします。10 アンペアの出力電流と精密ガウジングノズルおよびシールドを使用して、オペレーターは Powermax45 XP でスポット溶接周辺の金属を素早くガウジングして除去し、材料を分離することができます。その後プラズマアークを使用して、母材の表面に残った少量の溶接をきれいに取り除く、または「洗い流す」ことができます。 (ビデオを参照)

Powermax45 XP を使った精密プラズマガウジングには、ドリル穴あけや研削など、従来のスポット溶接除去と比べ、複数の魅力的な利点があります。

  • はるかに高速な作業で、各スポット溶接は数分ではなく、数秒でガウジングできます。

  • 概して運用コストが大幅に低くなります。プロセスが速く、効率性が向上します。

  • プロセスは、オペレーターの手首、腕、肩の疲労を軽減します。より速く、肉体的に厳しいプロセスが少ないほど、特にスポット溶接を多く除去するときにオペレーターの快適性と安全性が向上します。

Powermax45 XP

Powermax45 XP プラズマ切断機は、最大 16 mm (5/8 インチ) の推奨切断能力、高速の切断速度、そして迅速で簡単なセットアップと操作を可能にする自動ガス調整機能を備えています。Duramax® Lock トーチは、様々な厚さの金属のハンド切断およびマシン切断に対応します。Powermax45 XP は、微細な形状の切断より長いリーチが必要な切断ガウジング、正確なガウジング、フラッシュ切断マーキング用の特殊消耗部品によって、様々なアプリケーションに使用することができます。

Powermax45 XP は取り扱いが容易です。Smart Sense™ 技術により、常に空気圧が正しく設定され、特許取得済みのタッチ切断技術により、オペレーターは切断中にトーチを金属の真上でドラッグできます。タッチ切断はスタンドオフを保持するより簡単で、より正確な切断を可能にします。

Powermax45 XP によりオペレーターの効率が高まります。優れた切断とガウジング品質により、研削や端部の準備などの二次加工にかかる時間が短縮されます。トーチ無効化スイッチにより、消耗部品をよりすばやく簡単に交換でき、ダウンタイムを減らし、全体的な生産性が向上します。

プラズマによるスポット溶接除去の習得

プラズマを使用してスポット溶接を除去するには、練習が必要です。ポイントは、トーチを平らな角度で保持して浅いガウジングを作り、一番上の金属層が下の層に影響を及ぼすほど熱くならないようにすることです。オペレーターは、一番上の金属層が溶け始めたらすぐにトリガーを放すかトーチを上げることで、下の層の損傷を防ぐことができます。

  1. まず、アンペア数を 10 A に設定します。

  2. プラズマトーチをスポット溶接のすぐ横の平らな角度に置きます。

  3. トリガーを押し、アークを開始します。金属が溶解し始めたらすぐに、トーチを上げるかトリガーを放し、金属を少し冷まします。

  4. トーチを下に戻すか、トリガーを押すと再び上の層の溶解を開始します。下の層が見えたらすぐに、トーチを上げるか、トリガーを放します。

  5. スポット溶接の半分近くの金属を外し、残りの半分でプロセスを繰り返します。

溶接をガウジングすると、上の層が外れるはずです。必要に応じて、金属層の間にチゼルを挿入して外します。プラズマ切断機を使用して、母材の表面に残った少量の溶接をきれいに取り除くことができます。 

注:プラズマガウジングのスパークが問題となる可能性がある場合は、非作業区域をスクリーンや難燃性ブランケットで保護する必要があります。

練習することで完璧に

熟練したオペレーターは練習をすることで、母材のガウジングを防いだり、過度な熱で材料を歪めたりしない方法を素早く習得することができます。この技術を習得すると、Powermax45 XP によるスポット溶接の除去は、他の方法よりも高速かつ簡単でコスト効果が高く、時間の節約とオペレーターの労働条件の改善につながります。

Powermax45 XP プラズマ切断システムでガウジング性能を最大化する方法については、Hypertherm の製品専門家にお問い合わせください。