5 つの消耗部品が 1 つのカートリッジに

「髭剃り」は、朝ごはんと同じで、毎朝の日課のひとつ。時々肌にちょっとした傷がつくこともありますが、それ以外は概して簡単でスピーディ、痛みもほとんどありません。しかし、それは必ずしも当たり前のことではありませんでした。使い捨ての刃が登場するまで、髭剃りは特別な日だけに行うものだったのです。その昔用いられていたカミソリ刃、オープンスチールブレードには「カットスロート(喉を切る)」というなんとも親しみにくいニックネームが付いていて、人は怪我をすることを恐れて床屋に行ったものでした。

プリンターの話もこれに通ずるものがあります。初期のプリンターは非常に危険だったため、万が一に備えて消火器が付いていました。トナーがなくなってきたらカートリッジを交換すればよい、というようなものではありません。それどころか、専門的な訓練を受けた技術者のチームに来てもらわなければなりませんでした。

髭剃りと印刷は一見異なりますが、カートリッジの発明によって使用形態が一変したという点では同じです。髭剃りにおいては、かつて研ぐ作業が必要だった一枚刃は現在、髭剃りに適した角度で固定された使い捨ての刃が取って代わりました。今の刃には皮膚を守るためのガードも組み込まれています。一方、プリンターでは、トナーを充填するのに特別なチームを呼ぶ時代は終わり、古いトナーケースを外して新しいケースを入れればよいだけになりました。

幸い、プラズマ切断機の消耗部品を交換する際に専門チームは必要ありません。たいていは、取扱説明書を読むか、誰かが部品を交換しているところを見れば要領がわかります。しかし、その作業は世界で最も直感的というものではありません。理由を順に見て行くと、まず、部品を特定し、正しい順序・向きで組み立ててから、トーチに装着しなければならない。また、プラズマ切断システムが複数ある場合や、定期的に工程の切り替えをする場合は、特に時間を要する。さらに、部品を探したり、取り付けるのにも多くの時間がかかる。エアプラズマシステムの場合は、シールド、保持キャップ、ノズル、電極、渦巻きリングと 5 つの異なる部品を扱うことになるため、間違いも生じやすくなります。部品を逆さまに装着してしまうこともあれば、誤って手にとったものをすべてトーチに取り付けてしまったり、さらには、その状態で切断を再開するまで間違いに気付かないこともあります。

そして、それだけではありません。ほとんどのオペレーターの悩まされるのが、消耗部品を交換する タイミング 。あまり頻繁に作業を止めてすべての部品を点検していては、生産性に悪影響を及ぼしかねず、かといって、いつまでも何もしないわけにはいかない。交換時期が遅れると、切断品質が低下し、もしも電極が故障すれば、消耗部品一式あるいはトーチがダメージを受けるかもしれません。ここでもやはり、システムが一つであればそれほど大きな問題になることはないものの、事業で複数のシステムを運用している場合は、生産性に支障をきたしてしまう可能性があります。また消耗部品はプラズマ切断機の運用コストに占める割合も大きいため、利益にも食い込むみます。

これまで、こうした課題はまさに「果てしない課題」でした。プラズマ切断のオペレーターと事業主は、なんとかしてその課題と向き合ってやってこなければならず、彼らは工程を導入し、新人オペレーターに対して、時間をかけて消耗部品の点検・交換方法のための訓練を行いしました。そうするしかなかったのです。

けれども、これからは違います。Hypertherm の新しい Powermax SYNC® システムには、従来の消耗部品一式に取って代わる革新的な一体型カートリッジが付いています。カートリッジの導入によって髭剃りと印刷のあり方が根本から変わったように、プラズマ切断も、Hypertherm カートリッジによって今その変革を遂げています。数分かかっていた消耗部品の交換作業は、新しいシステムでは数秒。カートリッジを手にとってトーチに合わせ、4分の1回転させれば、切断/ガウジングの準備が整います。

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このカートリッジのもう一つの優れた点は、カラーコード(色分け)。今後は取り付けたカートリッジが工程に合ったものかどうか、あれこれ考える必要はありません。というのも、色を見ればわかるからです。黄色は、タッチ切断用。灰色はマシン切断用。緑色はガウジング用。黒色はフラッシュ切断などの特殊な作業用。Powermax SYNC システムでは、カートリッジの交換時期がくると知らせてくれるため「交換のタイミング(がわからない)」問題も解決します。消耗部品の交換時期のことで悩んだり、作業を止めて部品を点検したりする必要はなし。使い切っていない部品や一部しか損傷していない部品を捨てることもなし。部品の注文、状況追跡も不要。そして、トレーニングにかかる時間も短くなるわけですから、これほど嬉しいことはありません。

カートリッジは一体型の消耗部品として製造されているため、すべてのものが完璧に配置され、最適化されています。つまり、寿命が最長化され、無駄が最小限に抑えられるようになっているのです。Hypertherm カートリッジは、マシントーチを使用した場合、従来の一式の消耗部品よりも最大 2 倍長持ちし、切断品質が向上します。その上、スタート回数やアークオン時間などを追跡するなど、使用パターンも記録するため、傾向を見極めて作業の効率化に役立てることができます。

これからは Powermax SYNC の時代。プラズマ切断機のオペレーターはいつの日か過去を振り返り、消耗部品の交換がいかに複雑だったかを思い出して笑うでしょう。そして、プラズマ切断をより良く、より簡単に、よりコスト効率よくするカートリッジでさえ不要になる日のことを思い描くでしょう。

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