プラズマ切断の品質を高める基本的なヒント

次のリファレンスガイドは、切断品質を改善するのに役立ついくつかの解決策を提供します。考慮すべき多くの異なった要因があるため、記載されている提案に従って試してみることが重要です。

  • マシンの種類 (例、XY テーブル、パンチプレス、ロボット)
  • プラズマ切断システム (例、エアプラズマシステム、酸素プラズマ、高品位 - ハイディフィニションクラスプラズマ)
  • 動作コントロール機器 (例、CNC マシンおよびトーチ高さコントロールの機能)
  • プロセス変数 (例、切断速度、切断の高さ、消耗部品の選択)
  • 外部変数 (例、材料変数、ガス純度、オペレーターの経験度)

切断の外観を高めるときは、これらのすべての要素を考慮することが重要です。

ステップ 1:プラズマのアークは適切な方向に切断を行っていますか。

切断直角度は常にトーチ前方移動方向に対して、右側に発生します。

  • 切断方向を確認します。
  • 必要であれば、切断方向を調節します。

プラズマアークは標準消耗部品を使用している場合、時計回りに回転します。

輪郭:

  • トーチは時計回りに移動します。
  • 切断の良好な側は、トーチが前進するので、トーチの右側となります。

トーチの移動について

内側形体 (穴):

  • トーチは反時計回りに移動します。
  • 切断の良好な側は、トーチが前進するので、トーチの右側となります。

内部に穴があるプレート

内部に穴があるプレート

ステップ 2:切断される材料と厚さに適切な加工工程が選択されていましたか。

Hypertherm 取扱説明書の「操作」の章にある切断条件表を参照してください。

切断条件表の例

切断条件表の仕様に従っていることを確認します。

  • 以下に対して適切な加工工程を選択します。
    • 材料種類
    • 板厚
    • 望まれる切断品質
    • 生産性目標
  • 正しいプラズマとシールドガスを選択します。
  • 以下に対して正しいパラメータを選択します。
    • ガス圧力(または流量)
    • トーチとワーク間の距離とアーク電圧
    • 切断速度
  • 正しい消耗部品が使用されていることを確かめます (部品番号を確認します)。

消耗部品の例

注:一般に、低アンペアの加工工程を使用するほうが、より良好な直角度と表面の仕上げが得られます。ただし、切断速度が低下し、ドロスの量が増加します。 

ステップ 3:消耗部品が磨耗していませんか。

  • 消耗部品の摩耗を点検します。
  • 摩耗した消耗部品を交換します。
  • ノズルと電極は常に同時に交換してください。
  • O リングに潤滑剤を塗り過ぎないよう注意します。

注:最高の切断性能を保証するために、純正の Hypertherm 消耗部品を使用してください。

ステップ 4:トーチはワークピースに対して直角になっていますか。

  • ワークピースを水平にします。
  • トーチ (正面と側面の両方) をワークピースに対して直角にします。

ワークピースに対して直角になっているトーチ

注:材料を点検して、曲りや歪みがないか調べます。極端なケースでは、修正できないことがあります。

ステップ 5:トーチとワーク間の距離は適切な高さに設定されていますか。

  • トーチとワーク間の距離を正しい設定に調節します。
  • アーク電圧コントロールを使用している場合は、電圧を調節します。

注:消耗部品が摩耗すると、トーチとワーク間の距離を維持するためにアーク電圧の設定を常に調節しなければならなくなります。

トーチとワーク間の距離は直角度に影響することがあります。

負の切断角度:トーチが低すぎる。トーチとワーク間の距離を長くする。
正の切断角度:
トーチが高すぎる。トーチとワーク間の距離を短くする。

注:切断角度のわずかな違いは、その違いが許容値以内であれば正常です。

ステップ 6:切断速度の設定が速すぎる、あるいは遅すぎませんか。

  • 必要に応じて切断速度を調節します。

注:切断速度もドロスの量に影響することがあります。

高速ドロス:切断速度が速すぎます (アークが後方に取り残される)。切断速度を下げてください。
低速ドロス:切断速度が低すぎます (アークが先行する)。切断速度を上げてください。
上部のスパッタ:切断速度が速すぎます。切断速度を下げてください。

注:速度に加え、材料の化学反応と表面の仕上げもドロスの量に影響します。ワークピースが加熱されると、継続する切断でより多くのドロスが発生します。

ステップ 7:ガス供給システムに問題はありませんか。

  • ガス漏れや詰まりがあればそれを特定して修理します。
  • 適切なサイズのレギュレーターとガス管を使用します。
  • 純度の高い品質の良いガスを使用します。
  • MAX200 などで手動パージが必要な場合は、パージサイクルが終了したことを確認してください。
  • ガス販売代理店にご相談ください。

ステップ 8:トーチが振動していませんか。

  • トーチが切断機のガントリーにしっかり接続されていることを確認します。
  • 切断機のメンテナンスが必要かどうか、OEM メーカーにご相談ください。

ステップ 9:切断機の調整が必要ですか。

  • 切断機が仕様の速度で切断していることを確認します。
  • 切断機速度の調整が必要かどうか、OEM メーカーにご相談ください。